受賞

松島 健 准教授 が日本火山学会論文賞を受賞 (2015/05/26)

画像 松島 健 准教授が2015年度日本火山学会 論文賞(Best Paper Award) を受賞しました.この表彰は日本火山学会誌「火山」あるいは「Earth, Planets and Space」に掲載された論文の中で、火山学に関する独創的で特に優れた論文の著者に授与されるものです.

受賞論文:Shigeru Nakao, Yuichi Morita, Hiroshi Yakiwara, Jun Oikawa, Hideki Ueda, Hiroaki Takahashi, Yusaku Ohta, Takeshi Matsushima, and Masato Iguchi, Volume change of the magma reservoir relating to the 2011 Kirishima Shinmoe-dake eruption-Charging, discharging and recharging process inferred from GPS measurements recharging process inferred from GPS measurements. Earth, Planets and Space, 65, 505-515. 2013
(2011年霧島新燃岳噴火に伴うマグマ溜まりの体積変化ーGPS測定から求められた供給・噴出および再供給過程:中尾 茂・森田裕一・八木原 寛・及川 純・上田英樹・高橋浩晃・太田雄策・松島 健・井口正人,Earth Planets Space, 第65巻第6号,505-515, 2013 doi: 10.5047⁄eps.2013.05.017.)

 松島 健准教授は他大学のメンバーとともに,霧島・新燃岳の噴火前後に霧島火山周辺にGPS受信機を設置し,火山活動に伴う山体の地殻変動を精密に測定することに成功しました.このデータを鹿児島大学の中尾 茂 教授が解析して霧島火山下にあるマグマ溜まりの蓄積・噴出量変化を算出し,霧島火山の噴火時のマグマの動きを詳細に推定することができました.

九州大学地震火山観測研究センターが表彰されました (2014/08/23)

画像 九州大学地震火山観測研究センターが島原半島ジオパーク協議会から表彰をされました.この表彰は,当センターが島原半島ジオパークのシンボルである雲仙・普賢岳の噴火観測および研究に尽力するとともに,世界ジオパーク認定やジオパーク国際会議における学術面での助言と支援の功績が顕著であるとされたためです.

2014年8月23日に雲仙市の雲仙メモリアルホールで開催された島原半島世界ジオパーク認定5周年記念式典の場でジオパーク協議会長の古川隆三郎島原市長から,清水センター長の代理として松島准教授が表彰状と記念品の島原焼プレートを受け取りました.

三輪学央 研究員が日本火山学会研究奨励賞を受賞 (2014/05/02)

画像 三輪学央 研究員が2014年度日本火山学会 研究奨励賞(Young Scientist Award)を受賞しました.この表彰は火山学に関する優れた論文を発表し,将来火山学の発展への貢献が期待される35才以下の日本火山学会員に授与されるものです.

研究テーマ:火山噴出物の組織解析に基づく噴火機構の解明

 三輪学央さんは,九州大学で博士号を取得後,産業技術総合研究所,東北大学などで研究を続け,2013年4月から当センターにて,桜島や雲仙岳で調査研究を続けてきました.またリバプール大学との共同研究も開始しました.2014年5月からは防災科学技術研究所に拠点を移して,さらに研究を進めます.

松島 健 准教授・内田和也 技術専門職員・中元真美 博士 が日本火山学会論文賞を受賞 (2014/05/02)

画像 松島 健 准教授・内田和也 技術専門職員・中元真美 博士が2014年度日本火山学会 論文賞(Best Paper Award) を受賞しました.この表彰は日本火山学会誌「火山」あるいは「Earth, Planets and Space」に掲載された論文の中で、火山学に関する独創的で特に優れた論文の著者に授与されるものです.

受賞論文:Keigo Yamamoto, Tadaomi Sonoda, Tetsuro Takayama, Nobuo Ichikawa, Takahiro Ohkura, Shin Yoshikawa, Hiroyuki Inoue, Takeshi Matsushima, Kazunari Uchida, Manami Nakamoto: Vertical Ground Deformation Associated with the Volcanic Activity of Sakurajima Volcano, Japan during 1996-2010 as Revealed by Repeated Precise Leveling Surveys, Bull. Volcanol. Soc. Japan,58,1,137-151
(水準測量の繰り返し観測による桜島火山の火山活動に伴う地盤上下変動(1996年〜2010年):山本圭吾・園田忠臣・高山鐵朗・市川信夫・大倉敬宏・吉川 慎・井上寛之・松島 健・内田和也・中元真美,火山 第58巻第1号,137-150.2013年3月 )

 当センターの3名は他大学のメンバーとともに,桜島火山の精密水準測量を数回にわたり実施し,火山活動に伴う山体の地殻変動を精密に測定することに成功しました.このデータを京都大学の山本圭吾博士が解析して姶良カルデラ地下のマグマの蓄積状況を把握し,桜島火山の次の大規模噴火の可能性について言及しました.

JGN2plusアワード「社会基盤貢献賞」を受賞 (2011/01/27)

画像 植平賢司助教と内田和也技術専門職員が JGN2plusアワード「社会基盤貢献賞」を受賞しました.この表彰は一般プロジェクトを対象に,JGNplus2の3年間の研究開発活動において,特に優れた成果を上げたと認められる10プロジェクトを表彰するものです.

 

研究テーマ:「広域L2網による次世代地震データ交換・流通システムの構築」

研究参加機関:東京大学,東北大学,京都大学,九州大学,名古屋大学, 広島大学,防災科学技術研究所

JGN2plusとは 独立行政法人情報通信研究機構(略称: NICT) が 運用している, 次世代を担う超高速・高機能研究開発テストベッドネットワークです.

JGN2アワード「アプリケーション賞」を受賞 (2008/01/17)

画像 全国の地震観測研究機関で共同で実施したプロジェクト「高速広域レイヤー2網によるリアルタイム地震観測波形データ交換システムの構築」(プロジェクト代表:東京大学・鷹野澄准教授、九州大学研究者代表:植平賢司助教)が, JGN2アワード「アプリケーション賞」を受賞しました.この表彰は,JGN2の4年間の研究開発活動において,特に優れた成果を上げたと認められる,一般プロジェクトを表彰するものです.

 

研究参加機関:東京大学,東北大学,京都大学,九州大学,名古屋大学,北海道大学, 広島大学,防災科学技術研究所

JGN2とは 独立行政法人情報通信研究機構(略称: NICT) が 運用している, 次世代を担う超高速・高機能研究開発テストベッドネットワークです.

謝辞:本プロジェクトを遂行するにあたりまして、岡村耕二准教授を始めとした九州大学情報基盤研究開発センターの皆様に大変お世話になりました。


島原地震火山観測所が初の人事院総裁賞を受賞 (1995/12/05)[九大学報]

理学部附属島原地震火山観測所(代表者太田一也所長以下7名)が,12月5日東京・港区の明治記念館において人事院総裁賞(職域部門)を受賞した.
 この賞は,国家公務員の職務に関して与えられる賞であり,文部省関係で職域部門は初の栄誉である.
 同所は,雲仙・普賢岳の噴火活動を警戒区域内での多大な危険を伴う地震観測や昼夜の別を問わない監視,観測等により,土石流の発生状況や火砕流の発生予測等について,地域に真に必要とされる情報を確保し,防災機関等に対して的確かつ速やかにこれを提供するなど,地域に密着し,住民の生命財産の安全確保のための献身的活動を続け,地域防災に寄与したことが高く評価されたもの.
 人事院総裁賞は昭和63年に創設され,これまで文部省関係では3件受賞,本学で受賞したのは初めて.
 今回,本学の他に文部省,科学技術庁,法務省,厚生省の4件が受賞した.

「地域防災の要として、真に必要とされる情報を提供」 (人事院月報、96年1月号)

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左写真
人事院総裁賞受賞記念(1995年12月)
後列:松島、福井、内田、馬越
前列:松尾、太田、清水

受賞の感想をお聞かせ下さい
 今回の雲仙・普賢岳の噴火では,他大学や気象庁,自衛隊など多くの機関が,精力的に観測にあたりましたが,当観測所のみが受賞の栄に浴し,申し訳ない気持ちでいっぱいです.

今回の噴火後,より有効な情報を地域に提供するために留意したことはありますか

 今回の噴火では,大学と陸上自衛隊が一心同体となって相互の機能を高め,真に役立つ火山監視体制を構築するように留意し,危機管理にあたる地方自治体,警察,消防機関を支援してきました.

観測活動を行うにあたっては色々とご苦労があったと思いますが.

 噴火では,度重なる火砕流災害が発生しましたが,この発生予測を行うため,観測陣としては,溶岩ドームの観察と至近距離での地震観測が不可欠でした.ところが,地震計は,噴石や火砕流,雪,野生生物により度々壊されましたので,これらの維持管理に苦労しました.また,噴火が始まって5カ月目に,山頂部の地震計の交換用バッテリーを消防署員の協力を得て担ぎ上げていたとき,目的の火口縁到着直前に大爆発が起き,運よく死を免れたこともあります.その後も,所員は数々の危険に直面しながら観測を行いました.

研究上の成果,研究者としてのやりがいもあったのではないかと思いますが.

 神秘的な火山現象を推理しながら,ひとつひとつ科学的に解明していくことは,火山研究者にとっては最大の魅力です.たまたま数千年に一度という大噴火に遭遇しましたが,多くの火山観測機関のご協力を得て,多数の貴重なデータを蓄積できました.今後はそれらを総合的に解析し,少しでも火山学の進歩に役立てなければと考えています.

今回の観測,防災活動を通じて,学んだことや今後に生かしたいことはありますか.

 地震学,火山学は,飛躍的に進歩しています.しかし,地震予知,火山噴火予知に対する社会的期待とは大きな隔たりがあります.研究者は,それぞれの研究成果を防災に生かすことをもう少し真剣に考えなければならないと思います.