1997年5月13日14時38分,気象庁マグニチュ−ド(Mjma)6.2の地震が鹿児島県北西部で発生した.その震源分布を図1に示す.また,3月26日〜5月13日Mjma6.2直前までの震源分布を図2に,3月26日以降現在までの震源分布を図3にそれぞれ示す.震源分布には以下の特徴がある.
1)今回の余震分布はL字型をしており,本震はL字の屈曲部に位置している.
2)そのうち,東西走向の分布は,3月26日Mjma6.3の余震分布の約4km南にオフセットして分布している.
3)そのほかに,南北走向の分布が見られる.発震機構解(図4)は北東−南西圧縮,北西−南東張力の横ずれ型であり,南北走向の分布は共役的な活動に対応している.
4)時空間分布(図5)に示すように,今回の本震の震源近傍には前震活動は認められない.
5)現時点までの余震活動は東西走向のほうが活発である.14日8時32分の規模の大きな余震(Mjma4.7)も,東西走向の分布の範囲内で発生した.
6)1994年2月の鹿児島県北部地震の際にも,共役的な地震活動が認められている(図6).
そのほか,日別余震頻度等の補足資料を図7に示す.
震源パラメータ解析の結果をここにしめす.
解析には九州大学理学部島原地震火山観測所のほか,鹿児島大学理学部南西島弧地震火山観測所,東京大学地震研究所広島観測所,高知大学理学部,気象庁の地震観測データを使用した.