松島 健 2007年度の活動


研究テーマ発表論文学会発表等研究助成所属学会学外委嘱委員等海外出張


2007年度の研究テーマ

1)雲仙普賢岳噴火の測地学的研究
 雲仙普賢岳の噴火に伴う普賢岳山体や溶岩ドームおよびその周辺の地殻変動を傾斜計,GPS,水準測量で観測し,マグマの噴出および冷却過程を研究している.

2)火山噴火予知の基礎研究
 全国各地の火山地域でGPSや傾斜計,水準測量による地殻変動の観測,重力の測定を実施し,火山噴火予知のための基礎的調査研究を実施している.2002年8月に噴火した伊豆・鳥島火山においては,衛星携帯電話を用いた連続地震観測を実施し,噴火後の火山活動の調査研究を実施している.これらの観測研究結果は,逐次火山噴火予知連絡会にも報告され,火山活動を予測する重要な判断材料となっている.

3)内陸で発生する地震のメカニズム研究
 微小地震観測やGPSによる地殻変動観測を実施し,内陸で発生する地震のメカニズム研究を行っている.1999年10月から熊本県中部の布田川-日奈久断層系付近で群発地震が発生しており,臨時観測点を設置して微小地震を観測している.また,日奈久断層近傍にGPS連続観測点を設置するとともに,断層を横断するGPS観測線(11観測点)において繰り返し測定を行なっている.また2007年3月に発生した能登半島地震や,7月に新潟県中越沖地震においても臨時の地震観測点やGPS観測点を設置して余震活動や余効変動を観測研究した. また.歪速度が大きく近い将来に大きな地震の発生が予測されている富山・岐阜県境の跡津川断層系においても全国の大学と共同で高感度地震観測を実施している.

4)中央構造線断層帯の深部構造と現在の運動様式に関する測地学的研究
 高知大学の田部井教授を代表とする研究チームを結成し,西日本を東西に横断する日本最大の活断層群である中央構造線の測地学的研究を行っている.現在の地震活動は低調であり,断層自体固着している状態であるが,下部地殻では数mm/年の右横ずれ地殻内流動が発生していると考えられている.この断層群を南北に横切る測線(約100km)を四国中国地域に設定し,約30台のGPS受信機を用いて毎年の地殻変動を観測している.

5)フィリピン海南東部のテクトニクスの研究
 フィリピン海プレート南東部に位置するマリアナ諸島は,フィリピン海プレートの運動とは異なり,マリアナトラフからの涌きだしによると推定される円弧状の東進運動が観測されている.北マリアナ諸島やミクロネシアの島々にGPSを展開してその地殻変動を観測研究している.また北マリアナ諸島の火山活動についても観測研究を行なっており,特に2003年5月に噴火したアナタハン島では,東京大学地震研究所と共同で調査を行うとともに,GPS連続観測点を設置して火山性地殻変動を測定している.

6)2007年能登半島地震・新潟県中越沖地震の観測研究
 2007年3月25日に発生した能登能登半島地震(マグニチュード6.9)および7月16日に発生した新潟県中越沖地震(マグニチュード6.8)において地震発生直後から全国の大学研究者と共同で,緊急地震観測やGPS観測を実施した.解析結果は地震予知連絡会や地震調査委員会に提出され,地震断層の位置や発生メカニズムを推定するために重要なデータとなった.

7)福岡県西方沖地震および警固断層の研究
 2005年3月20日に福岡県西方沖を震源とするマグニチュード(M) 7.0の地震が発生した.地震発生直後から全国の大学研究者と共同で,緊急地震観測やGPS観測を継続し,この地震の発生メカニズムや余効変動の研究をするとともに,この地震発生域の南方延長上に位置し,福岡市街地を縦断する警固断層の活動を把握するための観測研究を行っている.

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発表論文

[a]レフェリーのある論文

[a]レフェリーのない論文,著書

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学会発表等

[a]国際学会

[b]国内学会

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研究助成 2007年(平成19)年度

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所属学会

  日本火山学会, 日本地震学会, 物理探査学会, 日本測地学会,日本測量協会


学外委嘱委員等


海外出張

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特記事項

[a]研究集会や講演会等の開催 [b] 受賞 [c] 招待講演
Last Updated : July 8, 2008