松島 健 2006年度の活動


研究テーマ発表論文学会発表等研究助成所属学会学外委嘱委員等海外出張


2006年度の研究テーマ

1)雲仙普賢岳噴火の測地学的研究

雲仙普賢岳の噴火に伴う普賢岳山体や溶岩ドームおよびその周辺の地殻変動を傾斜計,GPS,水準測量で観測し,マグマの噴出および冷却過程を研究している.

2)火山噴火予知の基礎研究

全国各地の火山地域でGPSや傾斜計,水準測量による地殻変動の観測,重力の測定を実施し,火山噴火予知のための基礎的調査研究を実施している.2002年8月に噴火した伊豆・鳥島火山においては,衛星携帯電話を用いた連続地震観測を実施するとともに,臨時の地震計アレイ観測やGPS繰り返しおよび連続観測点の設置など,噴火後の火山活動の調査研究を実施している.これらの観測研究結果は,逐次火山噴火予知連絡会にも報告され,火山活動を予測する重要な判断材料となっている.

3)内陸で発生する地震のメカニズム研究

微小地震観測やGPSによる地殻変動観測を実施し,内陸で発生する地震のメカニズム研究を行っている.1999年10月から熊本県中部の布田川-日奈久断層系付近で群発地震が発生しており,臨時観測点を設置して微小地震を観測している.また,日奈久断層近傍にGPS連続観測点を設置するとともに,断層を横断するGPS観測線(11観測点)において繰り返し測定を行なっている.また地震活動度が高い伊豆半島や東海地域においても,全国の大学研究者と共同でGPSの繰り返し観測を実施している.

4)中央構造線断層帯の深部構造と現在の運動様式に関する測地学的研究

高知大学の田部井助教授を代表とする研究チームを結成し,西日本を東西に横断する日本最大の活断層群である中央構造線の測地学的研究を行っている.現在の地震活動は低調であり,断層自体固着している状態であるが,下部地殻では数mm/年の右横ずれ地殻内流動が発生していると考えられている.この断層群を南北に横切る測線(約100km)を四国中国地域に2本設定し,約30台のGPS受信機を用いて毎年の地殻変動を観測している.

5)フィリピン海南東部のテクトニクスの研究

フィリピン海プレート南東部に位置するマリアナ諸島は,フィリピン海プレートの運動とは異なり,マリアナトラフからの涌きだしによると推定される円弧状の東進運動が観測されている.北マリアナ諸島やミクロネシアの島々にGPSを展開してその地殻変動を観測研究している.また北マリアナ諸島の火山活動についても観測研究を行なっており,特に2003年5月に噴火したアナタハン島では,東京大学地震研究所と共同で調査を行うとともに,GPS連続観測点を設置して火山性地殻変動を測定している.

6)2004年新潟県中越地震の研究

2004年10月23日に発生した新潟県中越地震はM6クラスの地震が5回も発生し,少なくとも4面の断層面が関連した複雑な破壊で生じた地震であった.この地震の発生直後から京都大学と共同で臨時地震観測網を展開するとともに,北海道大学と共同でGPS観測網を展開してこの地震断層による余効すべりを観測し,地震の発生メカニズムの解明のために研究を進めている.

7)福岡県西方沖地震の研究

2005年3月20日に福岡県西方沖を震源とするマグニチュード(M) 7.0の地震が発生した.地震発生直後から全国の大学研究者と共同で,緊急地震観測やGPS観測を実施し,この地震の発生メカニズム解明の研究をするとともに,今後の余震活動や警固断層への影響について.マスコミを通じて成果を逐次公表した.

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発表論文

[a]レフェリーのある論文

[a]レフェリーのない論文,著書

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学会発表等

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研究助成 2006年(平成18)年度

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所属学会

  日本地震学会, 日本火山学会, 物理探査学会, 日本測地学会,日本測量協会


学外委嘱委員等


海外出張

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特記事項


Last Updated : Aug. 16, 2007