定 期 火 山 情 報

第10号

平成12年10月10日10時00分
                        雲仙岳測候所発表

火山名:雲仙岳

 概況

9月の雲仙岳の火山活動は、落ち着いた状態が続きました。平成新山の形状や噴煙も前月と比べほとんど変化は見られませんでした。
10月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。

 震動観測

9月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第1表のとおりです。

第1表 9月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形、及び落石震動の旬別回数
                     

(カッコ内は、前月の回数)

火山性地震

火山性微動

火砕流波形

落石震動

A点

E点

A点

E点
 上旬

3

3

0

0

  0

0
 中旬

5

6

0

0

  0

0
 下旬

0

0

0

0

  0

0

月合計

8(3)

9(4)

0(0)

0(0)

  0(0)

0(0)

*A点(矢岳:普賢岳の南西3.6km) E点(薊谷:普賢岳の南西0.5km)


(1) 火山性地震

9月は火山性地震をA点で8回観測しました。これは、橘湾を震源とする比較的深い地震(A型地震)が7回で、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震(B型地震)が1回でした。また、山体に最も近いE点では9回観測しました。10月に入ってからは、9日までに火山性地震はE点で1回観測しています。

(2) 火山性微動

9月は火山性微動は観測されませんでした。
10月に入ってからも、9日までに火山性微動は観測されていません。

(3) 落石震動

9月は落石振動を1回観測しました。
10月に入ってからは、9日までに落石震動は観測されていません。

3 遠 望 観 測 

遠望カメラによる観測

9月の遠望観測による噴煙の最高高度は50mで、噴煙量は少ない状態が続きました。
なお、噴煙はすべて白色、少量でした。
10月に入ってからも、9日までに噴煙量等に特に変化はありません。

4 地殻変形観測

   (1) 傾斜計による観測結果

9月は傾斜変動は観測されませんでした。
10月に入ってからも、9日までに、傾斜変動は観測されていません。

(2) GPS測量による観測結果

人工衛星を利用したGPSによる溶岩ドーム(平成新山)の観測を行った結果、1999年9月30日から今年8月9日の期間に、溶岩ドーム西部隆起部中央から自重沈降しながら放射状に広がっているのが観測されました。変位量の最大は南東側で約12cmでした。