7月の雲仙岳の火山活動は、落ち着いた状態が続きました。平成新山の形状や噴煙も前月と比べほとんど変化は見られませんでした。
8月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。

7月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第１表のとおりです。

７月は火山性地震をＡ点で２回観測しました。これは、橘湾を震源とする比較的深い地震（Ａ型地震）と平成新山直下の比較的浅い地震（B型地震）でした。また、山体に最も近いＥ点では６回観測しました。８月に入ってからは、９日までに火山性地震は観測されていません｡

７月は火山性微動は観測されませんでした。
８月に入ってからも、９日までに火山性微動は観測されていません。

７月は落石震動は観測されませんでした。
８月に入ってからも、９日までに落石震動は観測されていません。

平成新山（溶岩ドーム）の機上観測を陸上自衛隊の協力により７月２７日に実施しました。
第10溶岩ドーム西部隆起部の中央付近の溶岩塊は、風化が進んでいました。
第11溶岩ドームには新たな崩落跡は見られませんでしたが、溶岩表面は風化が進んでおり、北側の縁の部分に亀裂が見られました。
溶岩ドーム全体としての形状に大きな変化は見られませんでした。
第10溶岩ドーム西部隆起部の中央付近の溶岩塊の西側からと第11溶岩ドーム付け根付近から白色の噴煙が、それぞれ約５０メートルの高さまで上がり北へ流れていました。

遠望カメラによる観測

７月の遠望観測による噴煙の最高高度は100ｍで、噴煙量は依然として少ない状態が続きました。
なお、噴煙はすべて白色、少量でした。
８月に入ってからも９日までに噴煙量等に特に変化はありません。

7月は傾斜変動は観測されませんでした。
8月に入ってからも９日までに、傾斜変動は観測されていません。