平成12年3月10日10時00分
雲仙岳測候所発表
１ 概況
2月は４日に島原半島西部を震源とする地震により、雲仙岳測候所で震度１の有感地震を観測しました。雲仙岳の火山活動は、落ち着いた状態が続き平成新山の形状は前月と比べほとんど変化は見られませんでした。3月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。
２ 震動観測
2月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第１表のとおりです。
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| 上旬 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 中旬 | 1 | 6 | 0 | 1 | 0 | 0 |
| 下旬 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
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3(3) | 9(16) | 0(0) | 1(0) | 0(0) | 0(3) |
(1) 火山性地震
2月は火山性地震をＡ点で3回観測しました。これは、島原半島周辺を震源とする比較的深い地震（Ａ型地震）が2回と、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）が１回でした。そのうち、4日18時36分に発生した島原半島西部を震源とする地震（M2.8）により、雲仙岳測候所で震度１を観測しました。有感地震の発生は、1998年12月14日の橘湾を震源とする地震(M3.1)により、震度２を観測して以来です。また、山体に最も近いＥ点では9回観測しました。3月に入ってからは、9日までにＢ型地震をＡ点で1回、Ｅ点で6回観測しています。
(2) 火山性微動
2月は火山性微動をＥ点で1回観測しました。 3月に入ってから９日までに、火山性微動は観測されていません。
(3) 落石震動
2月は落石震動は観測されませんでした。 3月に入ってから９日までに落石震動は1回観測されています。
３ 現 地 観 測
(1) 温泉観測
雲仙地獄、小浜温泉の現地観測を、2月7日に実施しました。前回（12月7日）と比べて噴気、温度、ガス、ｐＨ、水位の観測値に大きな変化はありませんでした。
４ 遠 望 観 測
遠望カメラによる観測
2月の遠望観測による噴煙の最高高度は200ｍで、噴煙量は少ない状態が続きました。 なお、噴煙はすべて白色、少量でした。3月に入ってからも９日までに、噴煙量等には特に変化はありません。
５ 地殻変形観測
(1) 傾斜計による観測結果
2月は傾斜変動は観測されませんでした。3月に入ってからも9日までに、傾斜変動は観測されていません。
(2) 光波測量観測結果
気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離には、ほとんど変化はありませでした。又九州大学との共同観測による、平成新山南東側に設置している反射鏡（Ｄ２）と仁田第２展望所観測定点（Ｔ６）との斜距離の観測結果は、第１図の通りで、大きな変化は観測されていません。