11月の雲仙岳の火山活動は、落ち着いた状態が続き平成新山の形状は前月と比べほとんど変化は見られませんでした。 12月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。

11月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石
震動の発生回数は第１表のとおりです。

11月は火山性地震をＡ点で１回観測しました。これは、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）でした。また、山体に最も近いＥ点では先月より少ないものの、２３回観測しました。
12月に入ってからは、９日までにＢ型地震をＡ点で１回、Ｅ点で３回観測しています｡

11月は火山性微動を24日に１回観測しました。これは5月14日以来今年２回目でした。
この微動の継続時間は６０秒で、傾斜計の変動は観測されませんでした。12月に入ってからは、９日までに火山性微動は観測されていません。

11月には落石震動は観測されませんでした。
12月に入ってからは、９日までに落石震動は２回観測されています。

遠望カメラによる観測
11月の遠望観測による噴煙の最高高度は200ｍで、噴煙量は依然として少ない状態が続きました。
なお、噴煙はすべて白色、少量でした。12月に入ってからも９日までに、噴煙量等に特に変化はありません。

11月は傾斜変動は観測されませんでした。
12月に入ってから９日までに、傾斜計の変動は観測されていません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離には、ほとんど変化はありません でした。又九州大学との共同観測による、平成新山南東側に設置している反射鏡（Ｄ２）と仁田第２展望所観測定点（Ｔ６）との斜距離の観測結果は、 第１図の通りで，大きな変化は観測されていません。