10月は火山性地震をＡ点で５回観測しました。これは、橘湾を震源とする比較的深い地震（Ａ型地震）が１回と、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）が４回でした。また、山体に最も近いＥ点では下旬にやや 増加し36回観測しました。
11月に入ってからは、９日までにＡ点で１回（Ｂ型地震）、Ｅ点で５回観測しています｡

10月は火山性微動は観測されませんでした。
11月に入ってからも、９日までに火山性微動は観測されていません｡

10月の落石震動の回数は１回でした。
11月に入ってからは、９日までに落石震動は観測されていません。

(1) 現地観測
　　　

雲仙地獄，小浜温泉の現地観測を，10月14日に実施しました。前回（今年８月５日）と比べて噴気，温度，ガス，ｐＨ，水位の観測値に大きな変化は ありませんでした。雲仙地獄の噴気の最高温度は、清七地獄で観測された103℃（前回102℃）でした。

平成新山（溶岩ドーム）の機上観測を陸上自衛隊の協力により，10月25日に実施しました。 　溶岩ドーム南東側には９月14日に発生した崩落跡が確認され、その下部に崩落物が堆積していました。また、第10ドーム西部隆起部の中央付近の溶岩塊にはく離が観測されましたが，溶岩ドーム全体としては前回（今年８月19日）比べ大きな変化は見られませんでした。

10月の遠望観測による噴煙の最高高度は100ｍで、噴煙量は依然として少ない状態が続きました。なお、噴煙はすべて白色、少量でした。11月に入ってからも９日までに、噴煙量等に特に変化はありません。

(1)　傾斜計による観測結果
　　　10月は傾斜変動は観測されませんでした。
　　　 11月に入ってから９日までに、傾斜変動は観測されていません。

気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離には、ほとんど変化は ありませんでした。又九州大学との共同観測による、平成新山南東側に設置している反射鏡（Ｄ２）と仁田第２展望所観測定点（Ｔ６）との斜距離の観測結果は、第１図の通りで，大きな変化は観測されていません。

10月は土石流と思われる震動波形は観測されませんでした。
11月に入ってから９日までも、土石流と思われる震動波形は観測していません。