平成11年10月12日11時00分
雲仙岳測候所発表
1 概況
9月の雲仙岳の火山活動は、落ち着いた状態が続き平成新山の形状は前月と比べほとんど変化は見られませんでした。
10月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。
2 震動観測
9月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第1表のとおりです。
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A点 | E点 |
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E点 | |||
上旬 | 2 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 |
中旬 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 7 |
下旬 | 2 | 6 | 0 | 0 | 0 | 5 |
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5(4) | 13(5) | 0(0) | 0(1) | 0(0) | 12(0) |
(1)火山性地震
9月は火山性地震をA点で5回観測しました。これは、橘湾で発生する比較的深い地震(A型地震)と、平成新山の直下を震源とする 比較的浅い地震(B型地震)でした。また、山体に最も近いE点では火山性地震を13回観測しました。10月に入ってからは、11 日までにA点で1回(B型地震)、E点で3回観測しています。
(2) 火山性微動
9月は火山性微動は観測されませんでした。 10月に入ってからも、11日までに火山性微動は観測されていません。
(3) 落石震動
9月の落石震動の回数は12回でした。
このうち、14日23時32分の落石震動は、E点の地震計で震動継続時間60秒の波形を観測しました。16日の現地調査で 溶岩ドーム南東部に高さ約100メートル,幅約60メートルの崩落跡があり,その下部に崩落堆積物が確認されました。
10月に入ってからは、11日までに落石震動は観測されていません。
3 現 地 観 測
溶岩ドーム現地観測
9月14日に溶岩ドーム(平成新山)の現地観測を実施しました。
今回の観測で最も噴気温が高かった場所は、234℃でした(前回観測304℃)。前回観測で最も噴気温が高かった場所での 観測(99.3.23 486℃)は、天候の悪化のため実施できませんでした。
4 遠 望 観 測
遠望カメラによる観測
9月の遠望観測による噴煙の最高高度は100mで、噴煙量は依然として少ない状態が続きました。 なお、噴煙はすべて白色、少量でした。
10月に入ってからも11日までに、噴煙量等に特に変化はありません。
5 地殻変形観測
(1) 傾斜計による観測結果
9月は傾斜変動は観測されていません。
10月に入ってから11日までに、傾斜変動は観測されていません。
(2) 光波測量観測結果
気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳に付けた反射鏡との斜距離の測量は、
今月は天候不良により実施できませんでした。
6 土石流
9月は土石流と思われる震動波形を11日09時05分から09時16分、11日15時55分から16時19分の2回観測しました。
この日の降水量は測候所で162.5ミリでした。
10月に入ってから11日までは、土石流と思われる波形は観測していません。