定期火山情報　1999年　第6号

定　期　火　山　情　報

第６号

平成11年６月10日10時00分

　雲仙岳測候所発表

火山名：雲仙岳

1　概況

５月の雲仙岳の火山活動は落ち着いた状態が続き、平成新山の形状にはほとんど変化は見られませんでした。
６月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。

2 震動観測

５月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第１表のとおりです。

第１表　火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形、及び落石震動の旬別回数

（カッコ内は、前月の回数）

	火山性地震		火山性微動		火砕流波形	落石震動
	Ａ点	Ｅ点	Ａ点	Ｅ点	火砕流波形	落石震動
上旬	0(0)	0(1)	0(0)	0(0)	0(0)	0(1)
中旬	0(3)	0(3)	1(0)	1(0)	0(0)	1(0)
下旬	2(1)	2(2)	0(0)	0(0)	0(0)	9(0)
月合計	2(4)	2(6)	1(0)	1(0)	0(0)	10(1)

(1) 火山性地震

５月は火山性地震をＡ点で２回観測しました。これは普賢岳山体を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）でした｡山体に最も近いＥ点も２回観測しました。
６月に入ってからは、７日に普賢岳山体を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）を１回観測しています｡

(2) 火山性微動

５月は火山性微動を14日に１回観測しました。前回は1998年11月１日に観測しています。
６月に入ってからは、９日までに火山性微動は観測されていません。

(3) 落石震動

５月は落石震動を10回観測しました。６月に入ってからは、落石震動を１回観測しています。

３　遠望観測　

遠望カメラによる観測

５月の遠望観測による噴煙の最高高度は50ｍで、噴煙量は依然として少ない状態が続いています。
なお、噴煙はすべて白色、少量でした。
６月に入ってからも９日までに、噴煙量等に特に変化はありませんでした。

４地殻変形観測

(1)　傾斜計による観測結果

５月は傾斜変動は観測されていません。なお14日に微動がありましたが傾斜計の変動は観測していません。
６月に入ってから９日までに、傾斜変動は観測されていません。

　　　(2)　光波測量観測結果

気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離は北側及び南側の測線ともに、ほとんど変化はありませんでした。また、平成新山北東側に設置している反射鏡（Ｄ４）と折橋観測定点（Ｗ11）との斜距離変化は、下図のとおり大きな変化はありませんでした。（第１図）

第１図　平成新山までの斜距離変化(1996/12/11-99/5/31:W11（折橋）-D４)

５　土石流

５月は土石流と思われる震動波形は観測されていません。
６月に入ってから９日までに、土石流と思われる震動波形は観測されていません。

６　火山情報の発表状況

５月10日の定期火山情報以降、火山情報の発表はありませんでした。　