気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離は北側及び南側の測線ともに、ほとんど変化はありませんでした。
また、九州大学との共同観測による、平成新山南東側に設置している反射鏡（Ｄ２）と仁田第２展望所観測定点（Ｔ６）との斜距離変化は、第１図に示すとおりで、大きな変化はありませんでした。
第１図 平成新山までの斜距離変化(1995/5/8-99/4/14:T6（仁田峠第２展望所）-D2)
雲仙岳測候所発表
４月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第１表のとおりです。
|
|
|
|
|
|||
|
Ａ点 |
Ｅ点 |
Ａ点 |
Ｅ点 |
|||
|
上旬 |
0(3) |
1(3) |
0(0) |
0(0) |
0(0) |
1(0) |
|
中旬 |
3(0) |
3(0) |
0(0) |
0(0) |
0(0) |
0(0) |
|
下旬 |
1(0) |
2(1) |
0(0) |
0(0) |
0(0) |
0(0) |
|
月合計 |
4(3) |
6(4) |
0(0) |
0(0) |
0(0) |
1(0) |
(1) 火山性地震
４月は火山性地震をＡ点で４回観測しました。このうち、橘湾で発生する比較的深い地震（Ａ型地震）が２回で、普賢岳山体を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）は２回でした｡また、山体に最も近いＥ点は６回観測しました。
５月に入ってからは、９日までにＡ点･Ｅ点ともに観測されていません｡
(2) 火山性微動
４月は火山性微動は観測されませんでした。
５月に入ってからは、９日までに火山性微動は観測されていません。
(3) 落石震動
４月は落石震動を１回観測しました。
５月に入ってからは、９日までに落石震動は観測されていません。
３ 現 地 観 測
温泉観測
４月12日と15日に雲仙地獄､小浜温泉の現地観測を実施しました。噴気、温度、ガス、ｐＨ、水位いずれの観測値には大きな変化はありませんでした。
４ 機上観測
４月15日に自衛隊のヘリによる機上観測を実施しました。平成新山の形 状には大きな変化はありませんでした。
５ 遠 望 観 測
遠望カメラによる観測
４月の遠望観測による噴煙の最高高度は50ｍで、噴煙量は依然として
少ない状態が続いています。
なお、噴煙はすべて白色、少量でした。
５月に入ってからも９日までに、噴煙量等に特に変化はありませんでし た。
６ 地殻変形観測
(1) 傾斜計による観測結果
４月は傾斜変動は観測されていません。
５月に入ってから９日までに、傾斜変動は観測されていません。
(2) 光波測量観測結果
気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離は北側及び南側の測線ともに、ほとんど変化はありませんでした。
また、九州大学との共同観測による、平成新山南東側に設置している反射鏡（Ｄ２）と仁田第２展望所観測定点（Ｔ６）との斜距離変化は、第１図に示すとおりで、大きな変化はありませんでした。
第１図 平成新山までの斜距離変化(1995/5/8-99/4/14:T6（仁田峠第２展望所）-D2)
７ 土石流
４月は土石流と思われる震動波形は観測されていません。
５月に入ってから９日までに、土石流と思われる震動波形は観測されてい ません。
８ 火山情報の発表状況
４月12日の定期火山情報以降、火山情報の発表はありませんでした。