定 期 火 山 情 報

第4号

平成11年4月12日10時00分

                   雲仙岳測候所発表

火山名:雲仙岳

  1.  概況

    3月の雲仙岳の火山活動は落ち着いた状態が続き、平成新山の形状にはほとんど変化は見られませんでした。

    4月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態が続いています。

  2.  震動観測

3月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第1表のとおりです。

 

第1表 火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形、

及び落石震動の旬別回数

(カッコ内は、前月の回数)

火山性地震

火山性微動

火砕流波形

落石震動

 A点

 E点

 A点

 E点

 上旬

3(1)

3(2)

0(0)

0(0)

  0(0)

0(0)

 中旬

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

  0(0)

0(0)

 下旬

0(0)

1(0)

0(0)

0(0)

  0(0)

0(0)

月合計

3(1)

4(2)

0(0)

0(0)

  0(0)

0(0)

 

 

(1) 火山性地震

3月は火山性地震をA点で3回観測しました。このうち、橘湾で発生する比較的深い地震(A型地震)が2回で、普賢岳山体を震源とする比較的浅い地震(B型地震)は1回でした。また、山体に最も近いE点は4回観測しました。

4月に入ってからは11日までに、A点では観測されていません。山体に最も近いE点では1回観測されました。

 

(2) 火山性微動

3月は火山性微動は観測されませんでした。

4月に入ってからは11日までに、火山性微動は観測されていません。

 

(3) 落石震動

3月の落石震動は観測されませんでした。

4月に入ってからは11日までに落石震動は1回観測されました。

3  現 地 観 測

溶岩ドーム現地観測

3月23日に溶岩ドーム(平成新山)の現地観測を実施しました。ドームの形状には大きな変化はありませんでした。恐竜の背中状隆起部西側付け根部分の最高温度は486℃(前回496℃)でした。

また、溶岩ドーム山頂2箇所に設置している観測点の地中温度連続観測結果は図1のとおりです。

図1 溶岩ドームの地中温度(1997年6月19日〜1999年3月23日)

 

4 機上観測

    3月12日に自衛隊のヘリによる機上観測を実施しました。平成新山の形   状には大きな変化はありませんでした。

 

5 遠 望 観 測 

遠望カメラによる観測

  3月の遠望観測による噴煙の最高高度は100mで、噴煙量は依然として

 少ない状態が続いています。

なお、噴煙はすべて白色、少量でした。

4月に入ってからも11日までに、噴煙量等に特に変化はありませんでし た。

 

6 地殻変形観測

(1) 傾斜計による観測結果

3月は傾斜変動は観測されていません。

4月に入ってから11日までに、傾斜変動は観測されていません。

                                   (2) 光波測量観測結果

7 土石流

3月は土石流と思われる震動波形は観測されていません。

4月に入ってから11日までに、土石流と思われる震動波形は観測されてい ません。

8 火山情報の発表状況

3月10日の定期火山情報以降、火山情報の発表はありませんでした。