1. 　概況

   ４月の雲仙岳の火山活動は，落ち着いた状態が続きました。この期間，平成新山の形状にはほとんど変化が見られず，火山性地震も少ない状態で推移しました。

   ５月に入ってからも，火山活動は落ち着いた状態が続いています。

2. 　震動観測

   ４月の火山性地震，火山性微動，火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第１表のとおりです。

   　

   第１表　火山性地震，火山性微動，火砕流と思われる震動波形，
   及び落石震動の旬別回数
   （カッコ内は，前月の回数）
   　

   	火山性地震		火山性微動		火砕流波形	落石震動
   	Ａ点	Ｅ点	Ａ点	Ｅ点
   上旬	2(0)	6(0)	0(0)	0(0)	0(0)	2(1)
   中旬	0(0)	0(0)	0(0)	0(0)	0(0)	5(3)
   下旬	0(0)	2(0)	0(0)	0(0)	0(0)	1(1)
   月合計	2(0)	8(0)	0(0)	0(0)	0(0)	8(5)

   　

   　

   (1) 火山性地震

   ４月は火山性地震をＡ点で２回観測しました。ともに，普賢岳山体を震源とする比較的浅い地震（Ｂ型地震）でした。また，山体に近いＥ点では８回観測しました。

   ５月に入ってからは10日までに，火山性地震はＡ点ではありませんでした。山体に最も近いＥ点では１回観測しました。

   　

   (2) 火山性微動

   ４月は火山性微動はありませんでした。

   　５月に入ってからも，10日までに火山性微動は観測していません。

   　

   (3) 落石震動

   ４月の落石震動回数は８回でした。

   ５月に入ってからは10日までに落石震動回数は２回でした。

   　

3. 　現地観測

   (1) 温泉観測

   　４月は2７日に雲仙地獄，小浜温泉の現地観測を実施しました。噴気，温度，ガス，ｐＨ，水位いずれの観測値にも大きな変化はありませんでした。

4. 　遠望観測

   　遠望カメラによる観測

   　４月の遠望観測による噴煙の最高高度は100ｍで,噴煙量は依然として少　ない状態が続いています。なお，すべて白色，少量の噴煙でした。

   　

5. 　地殻変形観測

　　４月10日の定期火山情報以降，火山情報の発表はありませんでした。