1 概 況
2 震 動 観 測
4月の火山性地震・火山性微動・火砕流と思われる震動波形の発生回数は第1表のとおりです。
火山性地震 | 火山性微動 | 火砕流波形 | |
---|---|---|---|
上旬 | 1(4) | 1(2) | 0(0) |
中旬 | 2(7) | 0(4) | 0(0) |
下旬 | 7(4) | 0(0) | 0(0) |
月合計 | 10(15) | 1(6) | 0(0) |
3 現地観測
(1)温泉観測
4月は24日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが大きな変化はありませんでした。小浜町山領において井戸の水位観測を実施しましたが,井戸の深さは8.8mで特に変化はありませんでした。
(2) 溶岩ドーム観測
19日に溶岩ドーム(平成新山)の現地観測を実施しました。地中温度はもっとも高いところで607℃を観測しました。前回(12月12日)と比べて大きな変化はありません。
ドームの形状には,大きな変化はありませんでした。
噴煙量は前回よりやや少なめでした。
4 遠 望 観 測
(1) 遠望カメラによる観測
4月の遠望観測による噴煙の最高高度は50mで,噴煙量は依然少ない状態が続いています。なお,すべて白色,少量の噴煙でした。
(2) 測量による観測
4月は28日に仁田峠第2展望所観測定点から,溶岩ドーム(平成新山)の形状を観測するための測量観測を行いました。前回(3月30日)と比べて大きな変化はありませんでした。
また,ドームの最上部の標高は,前回と変化なく1,482mでした。
5 地殻変形観測
(1)傾斜計による観測結果
4月は傾斜変動は観測されていません。
5月に入ってからも11日までに傾斜変動は観測されていません。
(2)光波測量観測結果
気象庁と通産省工業技術院地質調査所で行っている光波測量によると,普賢岳山体に付けた反射鏡との斜距離は北側及び南側の測線ともに,ほとんど変化はありませんでした。
一方,九州大学との共同観測による,平成新山西側隆起部南東側に設置している反射鏡(D2)と仁田峠第2展望所観測定点(T6)の斜距離変化は第1図のとおりで721日間に1250mm縮んでいます。これは溶岩ドームが収縮・自重沈下していることによるものです。
6 土 石 流
4月は土石流と思われる震動波形は観測されていません。5月は11日までに土石流と思われる震動波形は観測されていません。
7 火山情報の発表状況
4月10日の定期火山情報以降,火山情報の発表はありませんでした。