1 概 況
2 震 動 観 測
2月の火山性地震・火山性微動・火砕流と思われる震動波形の発生回数は第1表のとおりで,島原半島付近の火山性地震の震源分布は第1図のとおりです。
火山性地震 | 火山性微動 | 火砕流波形 | |
---|---|---|---|
上旬 | 4(4) | 5(2) | 2(0) |
中旬 | 2(0) | 33(2) | 4(0) |
下旬 | 3(2) | 0(1) | 0(0) |
月合計 | 9(6) | 38(5) | 6(0) |
3 現地観測
(1)機上観測
2月は自衛隊ヘリによる上空からの観測は実施しませんでした。
(2)温泉観測
2月20日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが,特に変化はありませんでした。小浜町山領における井戸の水位観測を実施しましたが,井戸の深さは8.9mで特に変化はありませんでした。
4 遠 望 観 測
2月の遠望観測による噴煙の最高高度は500m(10日16時37分,39分の火砕流による噴煙)でした。その他の観測された噴煙は,少量の噴煙でド−ム頂上付近からのものでした。
5 地殻変形観測
(1)傾斜計による観測結果
2月は傾斜変動は観測されていません。3月も10日までに傾斜変動は観測されていません。
(2)セオドライト(経緯儀)による溶岩ド−ム観測結果
この期間のセオドライト(経緯儀)を用いた観測による,溶岩ド−ムの状況は第2図のとおりで,溶岩ド−ムの形状に大きな変化はありません。
(3)光波測量観測結果
通産省工業技術院地質調査所と気象庁で行っている光波測量によると,普賢岳旧山体に付けた反射鏡との斜距離は北側及び南側の測線ともに,ほとんど変化はありませんでした。
また,九州大学との共同観測による溶岩ドームに設置した反射鏡との斜距離変化は第3図,第4図のとおりです。溶岩ド−ム西側隆起部南東側に設置されている反射鏡(D2)と仁田第2展望台観測定点の間は303日間に654mm,溶岩ドーム西側隆起部北西側に設置されている反射鏡(D1)と礫石原観測定点の間は329日間に598mm縮んでいます。これは反射鏡を設置した溶岩塊がずり落ちているものによると思われます。
6 土 石 流
2月は土石流と思われる震動波形は観測されませんでした。
3月も10日までは土石流は観測されていません。
7 火山情報の発表状況
2月1日以降,緊急火山情報,臨時火山情報の発表はありませんでした。
火山観測情報は,2月29日までに62号を発表しています。
なお、2月13日と2月15日には火砕流と思われる震動波形について観測情報を発表しました。