1 概 況
2 震 動 観 測
1月の火山性地震・火山性微動・火砕流と思われる震動波形の発生回数は第1表のとおりで,島原半島付近の火山性地震の震源分布は第1図のとおりです。
火山性地震 | 火山性微動 | 火砕流波形 | |
---|---|---|---|
上旬 | 4(1) | 2(0) | 0(0) |
中旬 | 0(10) | 2(0) | 0(0) |
下旬 | 2(2) | 1(0) | 0(0) |
月合計 | 6(13) | 5(0) | 0(0) |
3 現地観測
(1)機上観測
1月は自衛隊ヘリによる上空からの観測は実施しませんでした。
(2)温泉観測
1月24日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが,特に変化はありませんでした。小浜町山領における井戸の水位観測を実施しましたが,井戸の深さは9.2mで特に変化はありませんでした。
4 遠 望 観 測
1月の遠望観測による噴煙の最高高度は200m(12日10時57分崩落による噴煙)でした。その他の観測された噴煙は,少量の噴煙でド−ム頂上付近からのものでした。
5 地殻変形観測
(1)傾斜計による観測結果
1月は傾斜変動は観測されていません。2月も12日までに傾斜変動は観測されていません。
(2)セオドライト(経緯儀)による溶岩ド−ム観測結果
この期間のセオドライト(経緯儀)を用いた観測による,溶岩ド−ムの状況は第2図及び第3図,標高の変化は第4図のとおりです。溶岩ドームの形状には大きな変化は見られませんでしたが,1月12日に新大野木場観測定点より実施した観測で,1月8日05時50分に発生した溶岩の崩落によると思われるごくわずかな稜線の変化を観測しました(第3図)。
(3)光波測量観測結果
通産省工業技術院地質調査所と気象庁で行っている光波測量によると,普賢岳旧山体に付けた反射鏡との斜距離は北側及び南側の測線ともに,ほとんど変化はありませんでした。
また,九州大学との共同観測による溶岩ドームに設置した反射鏡との斜距離変化は第5図,第6図のとおりです。溶岩ド−ム西側隆起部南東側に設置されている反射鏡(D2)と仁田第2展望台観測定点の間は275日間に586mm,溶岩ドーム西側隆起部北西側に設置されている反射鏡(D1)と礫石原観測定点の間は283日間に570mm縮んでいます。これは反射鏡を設置した溶岩塊がずり落ちているものによると思われます。
6 降灰観測
12月は雲仙岳測候所においては,降灰を観測しませんでした。
1月も9日までは降灰を観測していません。
7 土 石 流
1月は土石流と思われる震動波形は観測されませんでした。
2月も12日までは土石流は観測されていません。
8 火山情報の発表状況
1月1日以降,緊急火山情報,臨時火山情報の発表はありませんでした。
火山観測情報は,1月31日までに31号を発表しています。