1 概 況
2 震動観測
10月の火山性地震・火山性微動・火砕流と思われる震動波形の発生回数は第1表のとおりで,島原半島付近の震源分布は第1図のとおりです。
なお,ここで用いている地震微動等の回数は速報値であり,後日訂正されることがあります。
月 | 有感地震 回 数 | 無感地震 回 数 | 総 地 震 回 数 | 微動回数 | 火 砕 流 震動回数 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 4 | 318 | 322 | 60 | 2 |
2月 | 0 | 81 | 81 | 16 | 2 |
3月 | 0 | 15 | 15 | 10 | 0 |
4月 | 0 | 29 | 29 | 18 | 0 |
5月 | 0 | 22 | 22 | 12 | 0 |
6月 | 0 | 33 | 33 | 39 | 0 |
7月 | 1 | 60 | 61 | 31 | 0 |
8月 | 1 | 29 | 30 | 9 | 0 |
9月 | 0 | 21 | 21 | 9 | 0 |
10月 | 0 | 15 | 15 | 12 | 0 |
3 現地観測
(1) 機上観測
10月は11日と25日に自衛隊ヘリによる上空からの観測を実施しました。
溶岩ドーム西部隆起部(旧第10溶岩ドーム)の中央付近の溶岩塊(通称:恐竜の背中状隆起)には,大きな変化は見られませんでした。また,周囲に新しい堆積物は見られませんでした。
(2) 温泉観測
9月19日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが,特に変化はありませんでした。
(3) 井戸の水位
10月26日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが,特に変化はありませんでした。小浜町山領における井戸の水位観測を実施しましたが,井戸の深さは8.0メ−トルで特に変化はありませんでした。
4 遠 望 観 測
10月の遠望観測による噴煙の最高高度は300mで,23日08時05分に観測され,溶岩の崩落に伴う灰褐色の噴煙でした。なお,観測できた日のうち,7日14時50分,15日16時06分,18日08時49分,23日08時05分,08時30分,08時50分,09時00分,09時17分,11時24分,25日06時13分,11時15分,26日12時42分,15時43分,17時14分,17時48分の噴煙は,溶岩の崩落に伴う灰褐色の噴煙でした。これ以外は,少量の噴煙でド−ム頂上付近からのものでした。
5 地殻変動観測
(1) 傾斜計による観測結果
10月は傾斜変動は観測されていません。11月も10日までに傾斜変動は観測されていません。
(2) セオドライト(経緯儀)観測による溶岩ド−ム観測結果
この期間のセオドライト(経緯儀)を用いた観測による,溶岩ド−ムの成長の状況は第2図のとおりです。10月中旬から下旬にかけて発生した崩落により,南東部稜線の一部に変化が見られました。
6 降灰観測
10月は雲仙岳測候所においては,降灰を観測しませんでした。
7 土石流
10月は土石流と思われる震動波形は観測されていません。11月は10日までに土石流は観測されていません。
9 火山情報の発表状況
9月1日以降,緊急火山情報,臨時火山情報の発表はありませんでした。火山観測情報は,10月31日までに304号を発表しています。