1 概 況
2 火砕流
6月は火砕流と思われる震動波形は,発生しませんでした。7月に入ってからも9日までは発生していません。
3 震動観測
6月の火山性地震・火山性微動・火砕流と思われる震動波形の発生回数は第1表のとおりで,島原半島付近の震源分布は第1図のとおりです。
なお,ここで用いている地震微動等の回数は速報値であり,後日訂正されることがあります。
月 | 有感地震 回 数 | 無感地震 回 数 | 総 地 震 回 数 | 微動回数 | 火 砕 流 震動回数 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 4 | 318 | 322 | 60 | 2 |
2月 | 0 | 81 | 81 | 16 | 2 |
3月 | 0 | 15 | 15 | 10 | 0 |
4月 | 0 | 29 | 29 | 18 | 0 |
5月 | 0 | 22 | 22 | 12 | 0 |
6月 | 0 | 33 | 33 | 39 | 0 |
4 現地観測
(1) 機上観測
6月は13日に自衛隊ヘリによる上空からの観測を実施しました。
溶岩ドーム西部隆起部(第10溶岩ドーム)の中央付近の溶岩塊(通称:恐竜の背中状隆起)には,大きな変化は見られませんでした。また,周囲に新しい堆積物は見られませんでした。
(2) 温泉観測
6月22日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが,特に変化はありませんでした。
(3) 井戸の水位
6月22日に小浜町山領における井戸の水位観測を実施しましたが,井戸の深さは8.3メ−トルで特に変化はありませんでした。
5 遠 望 観 測
6月の遠望観測による噴煙の最高高度は300mで,9日06時40分に観測されました。観測できた日のほとんどは少量の噴煙でド−ム頂部付近からのものでした。
6 地殻変動観測
(1) 傾斜計による観測結果
6月は10回わずかな傾斜の変化を観測しました。傾斜変動のあった時間頃「崩落によらない」火山性微動を8回観測し,地震を2回観測しました。
7月は9日までに傾斜変動は観測されませんでした。
(2) セオドライト(経緯儀)観測よる溶岩ドーム観測結果
この期間のセオドライト(経緯儀)を用いた観測による,溶岩ドームの成長の状況は第3図のとおりです。溶岩ドームの形状には,ほとんど変化はありませんでした。また,溶岩ドームの標高変化は第4図のとおりです。
7 降灰観測
6月は雲仙岳測候所においては,降灰を観測しませんでした。
8 土石流
6月は土石流と思われる震動波形を,3日09時54分から10時35分と30日17時41分から18時58分に観測しました。土石流による被害はありませんでした。
7月は9日まで2日に1回(22時51分から23時18分),3日に3回(00時36分から00時56分,01時10分から01時34分,10時00分から10時57分)観測していますが何れも被害はありませんでした。
9 火山情報の発表状況
6月1日以降,緊急火山情報,臨時火山情報の発表はありませんでした。火山観測情報は,7月9日までに190号を発表しています。