1 概 況
2 火砕流
4月は火砕流と思われる震動波形は,発生しませんでした。5月に入ってからも9日までは発生していません。
3 震動観測
4月の火山性地震・火山性微動・火砕流と思われる震動波形の発生回数は第1表のとおりで,島原半島付近の震源分布は第1図のとおりです。
なお,ここで用いている地震微動等の回数は速報値であり,後日訂正されることがあります。
月 | 有感地震 回 数 | 無感地震 回 数 | 総 地 震 回 数 | 微動回数 | 火 砕 流 震動回数 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 4 | 318 | 322 | 60 | 2 |
2月 | 0 | 81 | 81 | 16 | 2 |
3月 | 0 | 15 | 15 | 10 | 0 |
4月 | 0 | 29 | 29 | 18 | 0 |
4 現地観測
(1) 機上観測
4月は11日と26日に自衛隊ヘリによる上空からの観測を実施しました。
溶岩ドーム西部隆起部(第10溶岩ドーム)の中央付近の溶岩塊(通称:恐竜の背中状隆起)には,大きな変化は見られませんでした。また,周囲に新しい堆積物は見られませんでした。
(2) 温泉観測
4月19日に雲仙地獄,小浜温泉の現地観測を実施しましたが,特に変化はありませんでした。
(3) 井戸の水位
4月19日に小浜町山領における井戸の水位観測を実施しましたが,井戸の深さは9.2メ−トルで特に変化はありませんでした。
5 遠 望 観 測
4月の遠望観測による噴煙の最高高度は200mで,10日14時20分に観測されました。観測できた日のほとんどは少量の噴煙でド−ム頂部付近からのものでした。
6 地殻変動観測
(1) 傾斜計による観測結果
4月5日21時頃と15日05時40分頃及び20日00時30分頃に,鳥甲山及び仁田峠の傾斜計でごくわずかな傾斜の変化を観測しました。5日の傾斜変動の時間頃に火山性地震を観測し,15日と20日の傾斜変動のあった時間頃には,「崩落によらない」火山性微動(前述)を観測しました。5月に入って,7日16時頃にもごくわずかな傾斜の変化を観測しましたが,この時間頃にも「崩落によらない」火山性微動を観測しました。
(2) セオドライト(経緯儀)観測よる溶岩ドーム観測結果
この期間のセオドライト(経緯儀)を用いた観測による,溶岩ドームの成長の状況は第3図のとおりです。溶岩ドームの形状には,ほとんど変化はありませんでした。また,溶岩ドームの標高変化は第4図のとおりです。標高変化が前回の定期火山情報内容とは変更されていますが,これは観測点と溶岩ドーム最高点間の距離の測定不良によるもので,検討の結果修正することとしました。
7 降灰観測
4月は雲仙岳測候所においては,降灰を観測しませんでした。
8 土石流
4月は土石流と思われる震動波形を,9日9時33分から9時42分と23日5時23分から5時55分に観測しました。土石流による被害はありませんでした。
9 火山情報の発表状況
4月1日以降,緊急火山情報及び臨時火山情報の発表はありませんでした。
火山観測情報は,5月9日までに129号を発表しています。