福岡県西方沖地震断層‐警固断層地域における

不均質構造と応力集中機構の解明


Kyushu University Interdisciplinary Programs in Education and Projects in Research Development

(2008年度採択課題)


[目的]

内陸地震発生過程を理解するためには断層にかかる応力の蓄積過程,断層上の強度分布を知ることが必要です.現在までに地震モーメント,発震機構解から広域の応力状態を推定する試みがなされています.また,地震発生時のすべり分布と速度構造との対応からアスペリティが高速度域と対応していることが示され,強度の不均質を間接的に示唆するものとして考えられています.しかしながら,断層への応力集中機構は未だ明らかになっていません.特に,アスペリティや断層端の状態は応力集中プロセスの理解に重要であるにもかかわらず,詳細な物理特性がわかっていません.そこで本研究では,福岡県西方沖地震断層―警固断層地域において,断層上およびその周辺における詳細な媒質特性を把握し,断層への応力集中機構の解明をめざしています.特に,警固断層における地震活動を注視し,微小な地震活動検出を目標としています.


[研究計画]

本研究では,福岡県西方沖地震および警固断層周辺の地殻活動を地球物理学的観測データから,微小地震の検出を試みるとともに高解像度でイメージング(描画)し,福岡県西方沖地震発生メカニズムおよび将来の警固断層地震発生機構の解明を目指しています.これらは次の研究によって実行されます.

1.    福岡県西方沖地震余震活動および警固断層周辺の地震活動の詳細な検出と把握

2.    断層上およびその周辺における詳細な媒質特性把握および媒質の物理定数と強度との関連や非弾性変形に寄与する媒質特性の推定


現在までに得られている知見は以下の通りです.


1. 活動把握




2. 構造特性


本研究で得られた成果は,防災関連委員会や講演会などさまざまな機会を通じて地域社会に還元していくとともに、留学生や研修生の教育・研究指導を通じて国際貢献を行います。 

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