2014年長野県北部の地震における当センターの対応について

九州大学 地震火山観測研究センター


 2014年(平成26年)11月22日に長野県北部においてマグニチュード6.7の内陸地震が発生しました.地震の規模は大きいものではありませんでしたが,震央が浅く,地上にも1m近い地震断層が出現したこともあり,大きな揺れで家屋に多くの被害がでました.被害を受けられた全ての皆様に,心よりお見舞い申し上げます.また被災地において,懸命に救援活動にあたっておられる関係の皆様に感謝いたします.

 今回の震災に関して,当センターでは以下の調査研究を行っています.

 高感度地震計による余震観測

 九州大学地震火山観測研究センターは東京大学地震研究所・北海道大学と共同で,高感度地震計とデータ収録装置を震源域付近に設置しました.
 当センターでは地震が発生した直後に観測機材の準備を始め,翌日23日早朝に松本 聡 准教授と修士課程の神薗めぐみの2名が,3セットの機材を手持ちで空路出発しました.23日午後には長野市に到着し,国道406号線沿いの3ヵ所に地震計を設置し,本震後から多数発生している余震の観測を開始しました.
収録されたデータは次回の訪問時に回収します.収録データを他大学のデータと併合処理をすることにより,精密な余震の震源分布を作成し,震源域の場所や形状,またこの地域の岩石の弾性波速度構造を推定・研究することに使われます.


地震観測点配置図.●は本震および余震の震源地を示す.

 

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白馬村神城に設置した地震計(上)と記録計(下)