観測体制が整った2002年11月16日以降の日別地震回数を図2
に示す.地震活動は非常に消長が激しく,100回以上観測される日がある反面,まっ
たく記録されない日も多い.12月〜2月にかけては約10日程度の活動の周期が見られ
る.図3に示すこれまでに記録された最大の地震動(2003年1月21日15時47分)でも
おおよそ40mkineP-Pであり,かろうじて有感地震になる大きさである.また火山性微
動は観測されていない.また砂礫地での上下動1成分1点観測であるため,立ちあが
りやS波が不明瞭で,A型地震であるかは判別できない.このような地震は数日に1回
程度の割合で観測されている.観測される多くの群発地震は図4に示すように周期
3〜4Hz,継続時間が4秒程度の微小な震動である.しかも,群発ごとにほぼ相似波形
のファミリーをなしている.地表に近い浅い場所での地震活動と考えられるが,その
詳細は不明である.なお,これらの群発性微小地震活動にともなった火山活動の変化
はいまのところ特に視認されていない.
今後2003年5月中旬にこれらの微小地震動源を調査するために,
臨時の地震観測(トリパタイト)を実施するとともにGPS基準点の設置や2002年噴出
物の調査を実施する予定である.
図4 2002年12月14日に観測された群発性微小地震の波形例.継続時間が短く,
波形はほぼ相似形である